「放射性物質の挙動を把握し汚染地域の農業復興に寄与する」

本協力施設は、東京電力福島第一原子力発電所事故で放出した放射性物質(主に放射性セシウム)で汚染した地域の農業復興に寄与する研究を行っている。

具体的には、主要な農産物であるダイズの放射性セシウムを吸収する仕組みや体内分布について、品種間の放射性セシウムを吸収する能力の違いや、異なる栽培条件下(例えば施肥量の違い等)での放射性セシウムの吸収、ダイズの根に付着している菌の影響等について検討している。さらに、放射性セシウムの吸収に関する遺伝子探索を目的とし、ダイズの先祖になるツルマメなども含めて、様々な遺伝子型同士からなる集団についても試験を行っている。また、農林生産環境における放射性セシウムの動態を解明するため、土壌、水、大気中の放射性セシウムを測定し、その挙動についても解析している。

これらの検討には、福島県内の圃場、農学生命科学研究科附属生態調和機構(農場)、牧場で実際に作物を栽培して実験を行っている他、ラジオアイソトープを用いて研究室内での実験も行い、農産物中の放射性セシウム濃度の変動要因の把握に努めている。

森林における形態の異なる放射性物質の移行
森林における形態の異なる放射性物質の移行
有機物が土壌中の化学物質移動に与える影響

・放射性セシウムの農業環境中における挙動把握
・放射性セシウムの植物体内挙動、吸収メカニズムの解明
・放射性セシウム吸収低減技術の開発

教員

教授:西村 拓

連絡先等

03-5841-7882
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/radio-plantphys/ret/index.html
atakun(AT)g.ecc.u-tokyo.ac.jp
※(AT)は@に置き換えてください