小島倫直

平成17年 修士課程修了
株式会社竹中工務店

Q.生物・環境工学専修への進学を志望した動機を教えて下さい

"私は元々は“ジェネラリストを育てる”というフレーズに魅力を感じ、国際開発農学専修に進学しました。国際開発農学専修では農場・水産・牧場など様々なフィールド実習を体験させて頂き貴重で楽しいものだったのですが、一方で入ってくる多様な知識を受け身にしか受け取れていない自分にもどかしさも感じていました。そこで、自分なりの自然を見る目を身に着けたい!という思いで卒論でお世話になる研究室探しをはじめました。 そんな中出会ったのが進振り時にはアンテナに引っかかっていなかった生物・環境工学専修でした。これまでフィールドで見てきた土・水・植物そうした自然要素を工学的な視点で取扱う、なるほど当たり前に見ている風景をこんな風に研究していくのか、とよくわからないなりに感心したのを覚えています。自分に欠けていると感じていた自然の見方を修得できるのではないか、そんな期待で卒論から生物・環境工学専修にお世話になりました。"

Q.生物・環境工学専修進学後の学生生活の中で、特に印象深いことは何ですか?

"どこの専修でもやることではありますが、卒業論文の体験、その中で頂いた先生方の言葉が自分のその後のモノの見方にものすごく影響を与えていると感じます。 特に記憶に残っているのは、私が土中の水挙動に関する卒論実験で行き詰っていた時に指導教官から頂いた“小島君はね、水の気持ちになれてないと思うんだな。”という言葉です。聞いた時はなんだか面白いことおっしゃるなぁ、位の気持ちで伺っていたのですが、修士2年くらいになってふと“土の中で水ってこう動きそうだよなぁ”といったことを考えている自分に気づき、あれは一生懸命考えた先に身につくイメージ力・仮説構築力みたいなこと、そんなことを指摘頂いたのかなときづきました。冗談のような言葉に聞こえたのですが、すごく重要な言葉だったんじゃないかと感じ、それ以来無意識に反芻しています。 自分にとってとても大切な体験が出来た指導教官方の距離感、研究室の懐のひろい一体感、そんなところに今も感謝しています。 "

Q.生物・環境工学専修で学んだことは、現在のお仕事にどのように活かされていますか?

現在はゼネコンで都市緑化を対象とした研究開発に取り組んでいます。専修で学んだ土や植物など自然を工学的な眼でとらえ考えることは、業務に直結しています。また、研究室生活の中で自然現象をモデル化し、その意味するところをイメージする練習を気づかぬうちに多くすることで、たとえば自然に対する人の感情のモデル化といった応用も効く考える基盤を修得できたのではないかと感じています。研究室生活で自然と身についたものが、そのまま今も業務に生かされている、そんな風に感じています。

ゼネコン・建設業

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